薬師寺展のこと

とうがん

2008年05月11日 05:46

上野へは1時半頃着きました。
東京国立博物館で開催されている薬師寺展を観るためです。
中学卒業時の修学旅行を皮切りに、私の仏像への傾斜はいまだに続いています。
何度、奈良の寺寺を訪れたことか。その時から私の旅は一人旅ですが。(勝手が強いからかもしれません)
大学1年の時には、和辻哲郎なみに(正に怖い者知らずの時代)大和路のことを随筆風に書いて発表した事を想い出します。
2年位前まではSBS学苑の「東洋美術講座」で、毎月1回、数年に亘って仏像の勉強をしてまいりました。
今回の薬師寺展での私のお目当ては、日光菩薩立像と月光菩薩立像です。
薬師寺の金堂に薬師如来坐像の脇侍として、日光菩薩立像と月光菩薩立像は安置されています。
この両菩薩立像は常には光背の為に後姿を観ることは出来ないのですが、今回は光背を取り外し、はじめて全体像を見る事が出来るように試みられた、最初にして最後の展示なのです。
あの腰をひねった、そして顔を少し傾けた両菩薩像は、金堂で観る時とは違った雰囲気の中で、正に手の届く距離感の中で、堂々たるお姿を見せていました。
後姿は平面的な造りでしたが、今回、全体像を観る事が出来たことは、生涯、記憶に残る事だろうと思っています。
私はどちらかと言いますと、月光菩薩立像の方が、そのヴォリューム感から圧倒的な一種の畏敬感を感じました。

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